The Doppler Quarterly (日本語) 秋 2016 | Page 89
そして、その問題とは、コンピューティングの大部分がパブリッ
ククラウドに移行するであろうということです。10 年から 15 年
の異なるマイルストーンに目を向けた場合、疑問となるのは、す
べてのアプリケーションフリートの何パーセントがオンプレミ
スに残ったままになるのか、ということです。80% になるでしょ
うか。50% になるでしょうか。または 20% ということもあるで
しょうか。私の見積りでは、業界のほとんどの人が期待するより
も低くなると予想されます。多くのベンダーやアナリストは、一
部のデータはパブリッククラウドに含まれることになるが、コン
ピューティングの 80% はオンプレミスで稼働し続けると考える
メンタルモデルを使用しています。これは、大いに楽観的な考
えであると思います。
DL: Engates さん、ご自身の成長の予測を拡大できます
か。Goldenさんよりも少し保守的な考えをお持ちのよう
ですが、パブリッククラウドはデフォルトのプラットフォー
ムのようなものになるでしょうか。
どれほど多くの企業がプライベートクラウドとパブリッククラウ
ドの両方に頼っているのかを知ると、いつも驚かされます。この
ように、プライベートクラウドが近い将来になくなるとは考えら
れません。
DL: プライベートクラウドの導入を目指しているエンター
プライズ IT に対して、何かアドバイスはありますか。
BG: 現在のアプリケーションポートフォリオ、および開発する
可能性のあるアプリケーションポートフォリオについての、明
確な視点からの分析を実施することが重要であると思います。
ポートフォリオのうち、どの程度の割合にクラウド機能が必要
であり、オンプレミスに残り続ける必要性が生じる制約があり
ますか。全体的な出費とポートフォリオの範囲について検討す
ることにより、それをサポートするために余裕がある投資または
出費を算出し、パブリッククラウドの使用について検討する対
象を特定することをお勧めします。いつも CIO に伝えることは、
インフラストラクチャグループに対して彼らの考えを聞かない
JE: パブリッククラウドは問題なく成長していると思いますが、 でください、ということです。なぜなら、インフラストラクチャグ
毎日のように大企業がプライベートクラウドを導入していること 然と身に付いているからです。
私はちょうど、プライベートクラウドもまた成長し続けており、
を論証したところです。前回の OpenStack サミットでは、ある
統計が持ち出されていましたが、その統計では、 Fortune 100
の 50% が OpenStack を使用していると報告されていたと思
います。ここで、同じ 50% がおそらくは Amazon と何らかのプ
ロジェクトに取り組んでおり、また、おそらくは Azure と何らか
のプロジェクトに取り組んでおり、さらに、おそらくは Google
やその他と実験的な取り組みを進めていると想像してみましょ
う。重要な点は、企業がパブリッククラウドと組み合わせてプ
ライベートクラウドを使用しているということです。プライベー
トクラウドは大きな役割を果たしており、一部の極めて大規模
ループには、非常に保守的なアプローチを考え出す傾向が自
JE: 私も同感です。しっかりと目を見開いて IT 要件の全体像
を把握し、進むべき目標や必要となるコストについて理解す
る必要があると思います。また、スキルのインベントリを作成し
て、自社が得意とするスキルと不得意とするスキルについて理
解することをお勧めします。組織が小規模な場合は、是が非で
もデータセンターを構築せずに、パブリッククラウドに移行しま
しょう。ただし、 IT のデータが相当な量である場合は、その環
境においてプライベートクラウドが長期にわたり重要な役割を
果たすことができると思います。
なワークロードにおいて使用されています。プライベートクラ
ウドを使用している大銀行や主要な電気通信会社もあれば、
Amazon を潜在的な競合他社として見ているためプライベート
大文字 / 小文字表記、句読点、文法、スペル、段落構成に関して、
トランスクリプトは発行基準に従い編集されています。
クラウドにひかれている非常に大規模な小売業者もあります。
2016 年秋号 | THE DOPPLER | 87