The Doppler Quarterly (日本語) 秋 2016 | Page 81
運用
多くの場合、運用はマルチクラウドの展開における最大の投資となります。単一のベンダーを
超えるすべてのクラウドプラットフォームを効果的に管理するため、スタッフには追加のトレー
ニング、スキル、および専門知識が必要となります。複数のクラウドプラットフォームを導入す
る前に、単一のクラウドベンダーによる成熟した CloudOps モデルを配置する必要がありま
す。この強固なモデルにより、プラットフォームがさらに追加される際の内部の基盤となる、
成熟したプロセスと成熟した機能の両方があることが確保されます。
図 2 は、成熟した CloudOps 戦略における主要な 7 つの指針を示しています。
影響の範囲を限定 – 「影響の範囲を限定」とは、機能停止、セキュリティインシデント、また
はアップグレードが関連していない他のシステムに影響しないようにするために、隔離および
分離において当社が用いる運用手法です。
コストの透明性を確保 – クラウドの経済性における となるのは、出費パターンの完全な
把握、およびコストとサービス可用性のバランスを保つための自動応答です。強固な Clou-
dOps モデルにより、すべてのユーザーが自身の出費を確認し、主要なアーキテクチャーの意
志決定を理解し、出費が予想よりも速いペースで増大している場合に通知を受信するための
ツールを使用できることが確保されます。
複雑性を最小限に抑制 – インシデントのサポートおよび対応がより困難になるため、複雑
性はコストの増加につながります。成熟したクラウド実装により、標準的なマイクロサービス、
標準的なテクノロジースタック、およびアプリケーション間での標準的な通信経路を通じて
複雑性が最小化されます。
コンプライアンスを維持 – 多くの組織は、コンプライアンスおよび規制に関する規格モデ
ルがある分野において機能しています。これらの中で最も複雑な規格であっても、パブリック
クラウドプロバイダーを利用して要件を満たすことができます。展開が準拠していること、お
よび変更が組織のセキュリティおよびコンプライアンスの姿勢に影響しないことを確保する
には、自動化が となります。
アクセスを保護 – クラウドにおけるセキュリティは後回しにするべきではなく、すべての計
画および実装に含める必要があります。これにより、データは常に保護され、組織に対するリ
スクが最小化および管理されます。
開発者のアジリティを向上 – クラウドコンピューティングの最終的な目標は、新しい機能
の導入により、企業のビジネス上のメリットを実現することです。その中心となるのは、 IT の
開発が遅いために妨げられることなく、開発者が新しい機能を迅速に構築 / 展開するため
の機能です。
耐障害性を向上 – 主要なクラウドベンダーは、大規模かつグローバルな容量を備えていま
す。多くの企業ではコスト的に余裕がない、このような独自の機能により、拡張性の高い大規
模なプラットフォームを使用して、高い可用性を備えた分散型システムを構築できます。また、
クラウドのネイティブ機能を使用することにより、少ない数のデータセンターに展開する場合
と比べて、より高いレベルの 可用性を備えたアプリケーションを迅速に展開できます。
2016 年秋号 | THE DOPPLER | 79