The Doppler Quarterly (日本語) 秋 2016 | Page 78
マルチクラウド 戦略の導入
Joey Jablonski
組織が最初のクラウド展開およびアプリケーション移行の先に進む中で、多くの組織は、さ
まざまなプロバイダーが提供する専門機能をチームが利用できるようにするための、マルチ
クラウド戦略の多角化に目を向けています。IaaS/PaaS 機能をサポートするためのマルチク
ラウドの導入への移行は、組織が評価および計画する必要がある重要なマイルストーンであ
り、これにより、組織が追加の運用負荷やスキルセット要件に取り組むことができることが確
保されます。多くの組織はすでに、 SaaS サービスを通じて異なるクラウドプロバイダーを導
入しています。この記事では、従来のデータセンターからのインフラストラクチャおよびアプリ
ケーションの移行において一般的に使用される、 IaaS および PaaS をサポートするクラウドプ
ラットフォームの組織的な導入に重点を置いています。このクラウドプラットフォームの分野
における 3 大プロバイダーは、 AWS、 Azure、および Google です。
一般的に、初期のクラウド展開では、単一のクラウドプラットフォームの活用に重点が置かれ
ていました。このような早期の簡素性により、企業全体で複数の新しいスキルセットのトレー
ニングを行う苦労が増えることなく、組織はクラウド中心モデルを使用して自社の運用機能
を構築できました。早期のサードパーティ製品ではマルチクラウドのサポートが不足していた
ため、このような単一クラウドのアプローチにより、サードパーティソフトウェアの選択もさら
に容易となりました。組織は、このような単一クラウドのアプローチを用いることにより、初め
ての移行におけるコスト上のメリットを得るために、契約交渉において影響力を持つこともで
きました。
クラウドプレゼンスを確立し、クラウドベースのアプリケーションに関連する運用モデルを構
築した後、組織は一般的に、自社のチームが使用できる機能を多角化するために、追加のク
ラウドプラットフォームへの拡張に目を向けます。プラットフォームの追加につながる最も一
般的な要因の一部は、次のとおりです。
• 専門のアプリケーションチームが、あるクラウドプロバイダーの独自の機能を必要として
いる。
• セキュリティおよびガバナンスの姿勢が、 2 番目のプロバイダーをサポートするほど十分に
成熟している。
• 組織の実用最小限のクラウド (MVC) が明確に定義されており、クラウドプラットフォーム
間での同種の機能および保護を実現できる。
76 | THE DOPPLER | 2016 年秋号