The Doppler Quarterly (日本語) 春 2018 | Page 88

成功の評価基準 #2 - イノベーションを実現するまでの時間 クラウドの話になるとイノベーションが話題に上るため、どのク ラウドリーダーもイノベーションについて考えます。クラウドを 活用して従来の考え方から脱却し、先頭に立って変革を進め るイノベーターは、自由に創造力を発揮します。 ここで問題となるのは、クラウドリーダーがどのようにイノベー ションを評価しているのかということです。現実的なビジネスの 世界に身を置く人のために、私たちは投資収益率 (ROI) を取り 上げ、イノベーションが利益につながるという明白な証拠を示 さなければなりません。このような重要な成果に光を当てなけ れば、響きの良い言葉と夢のような現実が IT のごみの山に消 え去ってしまうことになるため、創造力と現実の収益や営業利 益を結び付ける必要があります。 イノベーションの要となるのは顧客 ( ターゲットとなるバイヤー か内部の事業部門のいずれか ) です。迅速にイノベーションを 進めて顧客の好みを把握すれば、それぞれのニーズに合った より多くの選択肢を示すことができます。ベストプラクティスと しては、高い頻度でコードをリリースして A/B テストをスムー ズに進め、顧客の行動を見極めることが推奨されます。強力な CI/CD プロセスを通じて迅速に A/B テストを行えば、コード を変更して収益と営業利益の向上につなげることができます。 そのため、クラウドプログラムの成功に関する先行指標は、期 間ごとのソフトウェアコードのリリース数にするべきです。 レガシープラットフォームのウォーターフォール型のリリースサ イクルは管理が難しく、 A/B テストのためのフレームワークが ありません。一方、クラウドの時代に生まれた競合企業は、レガ シープラットフォームやレガシープロセスの制約を受けること がなく、 1 クリックでコードを展開できるツールチェーンを構築 して、レガシープラットフォームの次のバージョンを展開するの と同じ時間で数百のソフトウェアの変更をリリースしています。 イノベーションを実現する までの 時間に関する KPI • 期 間ごとのチームのコードリ リースの数 • 期間ごとの迅速な A/B テストの 実施数 • 新しい製品リリースやアップデー トに関連する市場のシェアオブ ボイス 86 | THE DOPPLER | 2018 年春号 コードリリースの評価はイノベーションの重要なポイントであ り、収益や利益の向上に不可欠です。