The Doppler Quarterly (日本語) 春 2018 | Page 47
• 大手小売業者と食品会社のグループは共同事業体を結成
し、 IBM 社と連携してブロックチェーンを活用することによ
り、食品の安全性と消費者の信頼の向上に取り組んでい
ます。
• 処方薬品の産地 / 加工地を追跡して把握すること以上に
重要なことはありません。Pfi zer 社や Genentech 社など
の製薬会社のグループは、ブロックチェーンのパイロットプ
ロジェクトを最近完了し、より確実に薬剤を追跡できるよう
になりました。
• サプライチェーンでは、常に偽造品が問題となりますが、ブ
ロックチェーンテクノロジーにより、多くの業種で製品の生
産地がわかるようになりつつあります。わかりやすい例とし
ては、ブロックチェーンで産地を明らかにして取引の透明
性を確保しようと考えている、ダイヤモンド業界が挙げられ
ます。
サプライチェーンは 革 新 的 な ブロック
チェーンのユースケースとなるのか
ブロックチェーンがテクノロジーのハイプサイクルの非常に高
い位置にあることは否定できず、多くのメディアが暗号通貨
や金融サービス業界のことをこぞって報道しています。しか
し、証拠の連続性や一連の出来事のシナリオの中でブロッ
クチェーンによって提供されるものに目を向けると、サプライ
チェーンがこのエコシステムのもたらすビジネス価値から大
きな恩恵を受ける可能性があることがわかります。ブロック
チェーンテクノロジーは、開発から消費に至るまでのライフサイ
クル全体で製品の完全な透明性と信頼性を確保し、生産地を
明らかにします。ユースケースのシナリオでブロックチェーンを
アルファ/ ベータ段階のイニシアチブから移行できる見込みが
あるのであれば、サプライチェーンは今年、画期的な一歩を踏
み出す最有力候補になると思われます。時間が経てば、その結
果は見えてきます。
2018 年春号 | THE DOPPLER | 45