The Doppler Quarterly (日本語) 春 2017 | Page 64

エクスペリエンス設計、 アジャイル、 DevOpsの統合 Salina Brown、 Chett Rubenstein、 Ray Young アジャイルな関係を確立し、ユーザー フィードバックを早期に捉え、迅速に ソフトウェアを開発することで利益を 得るのは簡単です。とはいえ、ほとん どの企業がそうした環境の構築に苦 心しています。 Hasso Plattner Institute of Design at Stanford (the d-School) の主要な創設者で同校の教員である Dr. James Patell は、人間中心の設計を信じており、それは、真の共感を 確立することで達成するとしています。同氏はこう説きました。 リューションに絶えず取り込むことができません。DevOps と エクスペリエンス設計、アジャイル、 DevOps の統合を積極的 に採用することで、市場の変化に対して繰り返し迅速に対応で きるようになります。 DevOps で重要なのはソフトウェアではなく、コミュニケーショ ンとコラボレーションです。ソフトウェア工学、運用、製品の間 でコラボレーションとコミュニケーションを促進する DevOps と同様に、エクスペリエンス設計、アジャイル、 DevOps の統合 は、ソフトウェア工学、製品、ユーザーの間でコラボレーション とコミュニケーションを促進します。しかし、ソフトウェア工学、 運用、製品、ユーザーの間でコラボレーションを管理できるの であれば、それはそれで、かなりの成果です。 「次の 2 つのブランクを埋めてください。ユーザーは __ するの によい方法を求めています。なぜなら __ だからです。なぜな ら、の部分が重要です」。 しかし、 CTP は、自社の SDLC での迅速な展開によって、継続 的なフィードバックループを可能にし、価値をすぐに提供できる ようにしています。私たちは、さらに適切な表現を次のように考 えます。 「3 つのブランクを埋めなければなりません。ユーザーは ___ するのによい方法を求めています。なぜなら ___ だからです。 私たちは、明日朝の本番環境へのベータ版リリースに ___を 展開できます」。 Dr. Patell の考えを拡張して、ソフトウェア開発のライフサイク ルにおける DevOps の機能を説明しました。エクスペリエンス 設計、アジャイル、 DevOps の統合では、ユーザーフィードバッ クを早期に捉え、コラボレーションの問題の解決を早めること で、この「なぜなら」を明確に述べることができます。しかし、 迅速な「展開」がなけば、こうした有益な情報を製品またはソ 62 | THE DOPPLER | 2017 年春号 サイロをなくす ほとんどの大企業が、イノベーションではなく、予見性と効率 性を目的とする最適化を望む集中的なリーダーシップに従っ ています。機能ごとに静的なチームを構成し、エンジニアなら 当然プログラミングといったように、チームメンバーのアイデン ティティをその機能に結びつけます。チーム間のアジャイルな関 係の確立に必要な組織変革により、エクスペリエンス設計、ア ジャイル、 DevOps の統合と DevOps の方法論が可能になり ますが、往々にして個人と組織のアイデンティティが脅かされ ます。そうなると、チームメンバーは適切に定義された役割をこ なすに留まり、サイロ化を助長し、協力を拒みます。 私たちはあなたが現行の組織モデルを廃止して権限を分散す ること、または、従来の肩書きを「素晴らしすぎるマネージャー」 のように変えてしまうことを提案しているわけではありません。 しかし、私たちは、チームメンバーが、外に目を向けるように促 され、役割やチームの機能の外でコミュニケーションを支える ようになると、問題解決が早まると考えています。