The Doppler Quarterly (日本語) 春 2017 | Page 61

従業員と関係者の ストレスポイント 彼らはイニシアチブのすべてとその影 響について一部に気づいているかま たはまったく気づいていません。 リーダーシップとクラウドビジネスオフィス (CBO) による対応が必要な課題 「なぜクラウドに移行する必要があるのですか」。経営者は、 クラウドが企業にもたらす優れた経済性とビジネス価値を共 有しなければなりません。財務から法務、製品開発まで、ク ラウドの影響を受けない組織内の役割はありません。 「移行後、私たちに仕事はあるのでしょうか」。経営者は、彼らと のすべてのコミュニケーションにおいて、隠し事をしない率直な姿 彼らは、クラウドが自身と自身の仕事にどの 勢を示す必要があります。まず、 「その問題については今のところ ように影響を与えるかを把握していません。 解決策はありませんが、解決できるように対応中です」 と伝えるこ とで安心を得なければならないこともあります。移行を達成する ための支援に専念することを彼らに実際に示す必要があります。 「自動化によって私のチームは不要になりますか」。自動化と Infra- structure as Code (IaC) によって、現在手動で行っているタス 彼らは、クラウドが自身のチームに 与える影響に気づいていません。 クとアクティビティが廃止になる可能性があります。経営者は、ア ジリティを強化するには自動化がいかに必要であるかを改めて 主張しなければなりません。自動化は必ずしも人員削減を意味せ ず、運用保守のスキルの変更に過ぎません。この新たな自動化の すべてにも維持と投資が必要であることを忘れないでください。 彼らは、新しいクラウド環境で必要な 新しいスキルとナレッジを習得できな いのではないかと不安を覚えます。 「これまでずっとハードウェアのエキスパートだったので、コー ドとしてのソフトウェアの管理方法がわかりません」。経営者 は、スキル、ナレッジ、ソーシャルトレーニングの機会を提供し て、従業員が移行を選択できるようにする必要があります。 「企業がクラウドの利点を得られないのは、古めかしいテクノロ ジーのサイロが原因だと思います」。クラウドが企業に高いアジ 彼らは、クラウドによるソフトウェアの リティをもたらすように、ソフトウェアのバリューストリームをエ 設計、ビルド、運用のワークストリー ンドツーエンドで変更して最新の機能と自動化を利用する必要 ムの変化とともに、組織と報告体制 があります。経営者は、クラウドにより、ソフトウェア開発サイク も変わることに気がつきます。 ルを短縮できる新たな機会が得られることを明確にしなければ なりません。つまり、企業に、相互に機能するコラボレーション を促進する新たな報告体制とチーム体制が必要になります。 2017 年春号 | THE DOPPLER | 59