The Doppler Quarterly (日本語) 春 2017 | Page 59
第 3 フェーズ : 統合
そのうち、
「気づき」による混乱はなくなります。統合のフェーズでは、従業員と関係者が、ク
ラウド採用プログラムで具体的にどのような利益を得られるのかを悟るようになります。クラ
ウドのスキルは需要が多く、それにより自身の市場価値も高められることを知ります。人々は、
プロジェクトの成果に常に前向きな関心を持つようになります。また、他の関係者に対する期
待や規範を持ち、企業の新しい考え方との協調を試みます。
この段階のグループメンバーは、予測以上の支援を必要としている場合があります。最初に
完璧な結果を出せないと、すぐにストレスを抱えてしまいます。チームとして快調であっても、
イニシアチブが失敗する可能性が気になり、
「気づき」フェーズの不安定な状態に戻ってしま
いがちです。従業員は、このフェーズの予想外の困難を着実に克服していくために、安心感と
新しい方法を必要としています。
第 4 フェーズ : 新たな自信と継続的な改善
パフォーマンスカーブにおける 4 つのうち最後のフェーズは、クラウドが新しい規範となる転
移点です。移行による変更を十分に理解し受け入ると、グループは意見を一致させ、クラウド
を確立する新たな実践に完全に連動するパフォーマンスを発揮します。また、達成感が得ら
れるので、失敗した場合の悪影響について率直で包み隠さない態度を示すようになります。
プロジェクトの開始に関わった従業員は、新たな支持者を活発に起用し始めます。早歩き、ま
たはゆっくりしたジョギングよりも速いスピードで導入が進むようになります。
従業員の参加を促す計画 - 関係者の参加を促す時期と方法を
定義する
従業員と関係者の参加を促す綿密な計画は、クラウド採用プログラムで成果を得るための重
要なコンポーネントです。CTP がクラウドビジネスオフィス (CBO) と呼ぶ、クラウドの意思決
定を行う運営組織にリーダーシップを委ねる必要があります。これにより、計画を立案でき、
適切な人が適切なメッセージを適時に受け取り、今後に備えられるようになります。
綿密な変更戦略では、従業員の参加の問題に 3 つの側面から対処する必要があります。何よ
りもまず経営者が、クラウドの影響を受ける関係者を特定しなければなりません。たとえば、
企業は、プログラムスポンサー、変更エージェント、影響を与える人、抵抗する人、直接移行
される人といった個別の関係者グループに従業員を分類する必要があります。
2 番目に、経営者は、人が採用に前向きになるのに必要な多数のアクティビティを示さなけれ
ばなりません。このアクティビティは、複雑さ、および導入の取り組み方によって異なります。各
アクティビティでメッセージと目的を主要な人と関係者のグループごとに分類する必要があり
ます。経営者が計画の整理と分析を、次の 6 つの組織的な変更管理における統制に従って
行うと、プランニングプロセスの効果が高まることがわかっています。
1. リーダーと経営陣からの支援
2. 関係者の管理
3. コミュニケーションプランニング
4. スキルアップ、教育、トレーニング
5. パフォーマンスおよびインセンティブプログラム
6. 組織的な連携
2017 年春号 | THE DOPPLER | 57