The Doppler Quarterly (日本語) 春 2017 | Page 15

つきあいの浅さを考えると、 私たちにとってハイブリッドクラウド管理は いまだに科学というより芸術です。 たプラットフォーム上のワークロードを管理ツールでの自動化 によって管理できなければ、結局のところハイブリッドクラウド での運用はありえないかもしれません。つまり、適切に管理で きない、または費用に見合わないなら、ハイブリッドクラウドで のワークロード運用をやめても構わないのです。 ハイブリッドクラウドの成長と採用パターン Markets and Markets は、 「ハイブリッドクラウド市場は、 2021 年までに、 2016 年の 332 億 8000 万米ドルから 917 億 4000 万米ドルに成長する見込みで、予測期間における複合年 間成長率 (CAGR) は 22.5% になる」 と報告しています。 クラウド管理はいまだに 科学というより芸術 つきあいの浅さを考えると、私たちにとってハイブリッドクラウ ド管理はいまだに科学というより芸術です。その複雑さは徐々 に拡大していくようです。これは、ハイブリッドクラウド管理へ のアプローチにも進化が必要になることを意味します。 テクノロジーの観点で言うと、しばらくは、今取り組んでいる ことを理解するのに良い時期です。あなたがこうしたプラット フォームを管理する担当者であれば、たくさんの仕事を抱える ことになります。 もちろん、ハイブリッドクラウドに関する問題は、アナリストと テクノロジープロバイダーが、そのカテゴリに投げ入れるものが 多すぎるということです。私たちが意図するところでは、少なく とも 1 つのプライベートクラウドと 1 つのパブリッククラウドを 連携させた基盤で稼働する IT システムの集合であれば「ハイ ブリッドクラウド」 と呼ぶことができます。 ただし、管理者は「実用的ハイブリッドクラウド」という新しい 概念を理解する必要もあります。これは、これは従来型のシス テムの集合で、通常データセンターで稼働し、少なくとも 1 つ のパブリッククラウドと連携しています。多くの企業がクラウド への移行を進めるにつれ、こうしたシステムの普及が拡大して いますが、プライベートクラウドは活用されていません。代わり に、従来型のシステムとパブリッククラウドベースのシステムが 組み合わされています。 この新しいパターンはさらに複雑になっています。拡大する複 雑な環境にも対処する必要があるため、こうした組み合わせを 適切に管理するのは容易ではありません。これにより新たな問 題点が提起されます。ハイブリッドクラウドの採用を管理する 重要な理由の 1 つは、抽象レイヤーで複雑さを隠すことだから です。実際に、ハイブリッドクラウドに関する複雑さを回避する 代わりに、管理者は、ハイブリッドクラウドを構成するパブリッ クまたはプライベートクラウドのネイティブの機能と性能を深く 理解しなければなりません。 2017 年春号 | THE DOPPLER | 13