The Doppler Quarterly (日本語) 春 2016 | Page 51

クラウドの財務成熟度の連続変化 コストの種類 インフラストラクチャコスト • 1 回限りのコスト • 会計に影響するコスト • 回避コスト 継続的サポート (MSP) 「実際の」 オンプレミスコストの 把握 コスト節減手法の 実践 ( 継続利用など ) プラットフォームと オペレーティング 環境の構築 ビジネス・アジリティと グローバルな機能 レピュテーションと ブランドの価値 インフラストラクチャ コスト コンピュート、 ネットワーク、 ストレージ ) オープンソースの 機会の特定 移行コスト ( アプリケーションと データ ) CAPEX と OPEX への 影響 可用性、冗長性、 セキュリティの向上 スタッフとプロセスの コスト、人材の採用 最適化のための アプリケーション フットプリントの 規模の適正化 廃棄する アプリケーションの 特定 データセンターの 停止コスト 減価償却による 会計への影響 アプリケーション コストの 割り当てと ROI の追跡 収益に対する 開発者の生産性の 影響 成熟度低 成熟度高 図 2: クラウドの財務成熟度の達成 4) アジリティに関する個人的な視点。 最後に、社内のさまざまな立場にある個人がアジリティのメリットをどのように捉えている かを考慮することも重要になります。変化に対応する組織の能力についての CIO の視点 は、インフラストラクチャ責任者やエンジニアリング責任者の評価とは大幅に異なるでしょ う。このような意見の相違は、投資の判断に大きな影響を与える重要な要素です。大きな成 功を収めているほとんどの企業では、クラウドが実現する包括的なビジネス・アジリティに 重点を置いており、その戦略的な視点は、通常、組織の変化する能力についての CIO の見 解に沿ったものとなっています。 CTP が目にしてきた事実 クラウドの価値は、そのアジリティがビジネスにもたらす価値に比例します。言い換えると、 業界に求められる変化のスピードが速くなるほど、クラウドが生む価値も高くなります。どの 業界であっても、クラウドを導入する間に財務上の成熟を成し遂げることは簡単ではないた め、これまで説明した経済上の留意事項をすべて検討する必要があります。 クラウドへの投資に対する企業のクラウドの財務成熟度は、企業が成熟するにつれて一貫 したフローに従うことがわかります。クラウドの推進を始めたばかりの企業は、ハード面のコ ストやその他の明確なクラウド価値の推進要因を特定することに集中していますが、簡単 に特定できるこれらの要素からは、 ROI 全体についての限られた視点しか得られません。 これらの留意事項は、図 2 に示す連続変化の最初の領域に明るい緑色で表されています。 企業が財務分析を行い、クラウド導入を進めて成熟するにつれて、アジリティやその他のソ フト面のコストの価値に気付いて、財務成熟度が向上していきます。この過程は濃い緑色で 表されています。 2016 年春号 | THE DOPPLER | 49