The Doppler Quarterly (日本語) 春 2016 | Page 36

1930 年には、 1 人の農業従事者が 10 人分の食料を供給していました。 現在は、 1 人の農業従事者が 155 人分の食料を供給しており、 2050 年には、 1 人の農業従事者が 250 人分の食料を供給する必要があります。 この爆発的な需要を満たすために、精密農業の世界的リーダーである Land O Lakes 社 は、クラウドテクノロジーを活用して現代の農業に革命をもたらしています。 農業従事者にとっての成功とは、正しい決定を下すことにあります。 種をまく時期から、どこにどのくらいの量の水や肥料を与えるかといった事柄まで、農業従 事者は常に数多くの決定を下すことを迫られてきました。Land O Lakes 社の IT 担当 VP である Teddy Bekele 氏は、 「ほとんどの農業従事者は、作物の栽培サイクル全体を通じ て 40 の主要な決定を下す必要があります。40 の決定はさらに、およそ 200 の小さな意思 決定ポイントに分けられ、そのすべてが作物の成功に影響します」 と説明します。 伝統的に、農業従事者はそのような決定の大部分を直感に頼っていました。しかし今日で は、クラウド、 IoT、ビッグデータのテクノロジーが、複数のソースからのデータを同時に取 得し、取り込んで分析するプロセスを効率的に行うため、農業従事者は必要なリアルタイム データから得られたより多くの情報に基づいて意思決定を下せるようになっています。農業 に関する意思決定の質が向上すると、より少ない資源でより大きな収量を得ることができ ます。 より少ない資源で多くの人を養う必要が生じます。 国連は、 2050 年までに世界の人口が 100 億人に達すると予測しています。同じ調査では、 2030 年までに世界の水需要が供給量を 40% 上回ることを指摘しています。水、耕作可能 な土地、その他の投入資源が不足していることを考えると、農業従事者が持続的に収量を 改善できるかどうかは、将来の世代を養うための決定的な要素となります。 Land O Lakes社は農業 技術に何百万ドルも投じ ており、農業従事者が環 境 へ の 影 響 を 低 減しつ つ、より少ない資源で多く の食糧を生産することを 支援しています。 34 | THE DOPPLER | 2016 年春号