The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2017 | Page 57
従来のアプリケーションは、規範的なニーズに基づいてシステムを構築する際に使用した
一連の既知の要件がベースとなっていましたが、これからのアプリケーションは、適応性
が高く、自己管理 / 学習型で動的なうえ、予測不可能なものになると思われます。また、
データセンターは予測可能性を念頭に設計されたものですが、クラウドはイノベーション
と変動性に対応できる設計となっています。
新しいテクノロジーが登場するたびに、必要なコンピュートとストレージが増えることにな
りますが、データセンターでこのようなニーズに対応し続けることはできません。そこで私
は、ビジネス・アジリティがこれからの要件になると考えています。中央の IT チームがす
べてのテクノロジーの制御と操作を行っていた時代から規模は 3 倍になりましたが、今
後、市場のリーダーから転落して消滅してしまった企業のようになりたくないのであれば、
生き残るために、 IT 部門が新しい戦略的テクノロジーのイネーブラーにならなければなり
ません。また、急速にイノベーションが進んでおり、慎重になっていては戦略が失敗に終
わる可能性があるため、私は各企業に、それぞれの業界に適したテクノロジーについての
意味のある概念実証に積極的に取り組むよう提言しています。米国の脚本家である Eric
Roth 氏の言葉� ��引用すれば、
「人生は、たとえ逃してしまったものであっても、機会に
よって決まる」
のです。
2017 年夏号 | THE DOPPLER | 55