The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2017 | Page 40

場合、こうしたオファーでは、 AI サービスを効率的に活用するための機能とデータのソース、 さらにはパターンのソースを示すビッグデータ管理システムが組み合わせられます。 ここでは、自社の要件のすべての側面とともに、それらを満たすうえでパブリッククラウドプ ロバイダーがどの程度最適なのかを検討することが重要となりますが、これは、実際のビジ ネスの問題を解決するためにデータ、ミドルウェア、および分析サービスが連携するという点 で AI の範囲を超えています。 パブリッククラウドプロバイダーが提供する AI システムには、開発者がアプリケーションに AI を組み込めるようにするための SDK ( ソフトウェア開発者キット ) や API が含まれており、 これによって、 AI の機能と実環境における AI の利用の問題が解消されます。これらを活用 すれば、ローンの申請書類に含まれるデータに過去のパターンと現在のパターンを適用し、 その書類に不正がないかどうかを判断するといったことが可能になります。 ただし、パブリッククラウドの AI にはデメリットもあります。まず、基本的にパブリッククラウ ドプロバイダーから提供されるものを使用する必要があるため、データを他のクラウドに移 植するか、オンプレミスに戻さなければならず、それが問題になる可能性があります。次に、 多くの企業が AI を使いすぎる傾向にあり、実際にはその機能が必要ない用途にも活用して しまいがちです。たとえば、多くの手順が決められているシンプルなビジネスプロセスに AI を 使用するのはやりすぎです。 AI の使用パターン すべての AI モデルが同じというわけではなく、いずれも学習するように定義されてはいます が、解決のパターンが異なります。AWS 社、 Google 社、および Microsoft 社を含む大部分 のクラウドプロバイダーは、 3 種類の予測をサポートしており、それぞれの名称は異なります が、それらはバイナリ予測、カテゴリ予測、値予測の 3 種類に分けられます ( 図 2)。ではここ から、それぞれについて考えられるユースケースを見ていきましょう。 図 2: AI の予測の種類 38 | THE DOPPLER | 2017 年夏号 Value 値予測 Prediction Category カテゴリ予測 Prediction Binary バイナリ予測 Prediction