The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2017 | Page 29

テクノロジーが私たちの日々の働き方、生活様式、およびコミュ ニケーション方法のほぼすべての側面に変化をもたらしている のは誰もが知るところですが、 Capital One では、こうした変 化を受け入れてビジネスモデルと働き方を進化させ、絶えずお 客様に革新的なバンキングソリューションと優れたカスタマー・ エクスペリエンスを提供しています。 当社は突然クラウドへの移行を決定したわけではなく、 2010 年 に開始した広範囲に及ぶテクノロジー運用モデルの変革プロ 私たちにとって非常に重要です。そのため私たちは、教育に資 金を投じて AWS に関する包括的なトレーニングプログラムを 作成したわけですが、その結果として、現在では国内で最も 多くの AWS 認定開発者を擁する企業の 1 つとなり、すべての AWS 認定開発者のうち、 2% が Capital One で働いています。 クラウドの推進の未来に目を向けると、今後も最優先事項であ り続ける 2 つのポイントがテクノロジーの手法の変革を目指す 他の企業の役に立つモデルとなる可能性があります。1 つ目の セスの中で移行を進めてきました。 ポイントとしては、何よりもまず常にお客様を中心に考えること デジタルイノベーションによって金融業界に大きな変革がもた ではなく、テクノロジーとデータを活用してお客様のニーズの変 らされ、数多くの新たなチャネルやカスタマー・エクスペリエン スが生み出される中、私たちは、今後の銀行経営で成功を収め るには IT の組織モデル、開発アプローチ、およびデリバリプロ セスを再考する必要があるということに気付きました。 私たちはまず、金融業界の勝ち組がデジタルチャネル、機械学 習、およびリアルタイム分析を使いこなすようになるとするなら、 こうした分野をリードするテクノロジー企業のように投資を続 け、テクノロジー企業が築くであろう銀行のように経営を行う 必要があるという主張を展開しましたが、これは、独自のソフト ウェアの開発、ソフトウェア工学に精通した人材の引き込みと が重要であり、そのためには、テクノロジーだけに目を向けるの 化をより的確に予測し、それに応えていく必要があります。2 つの目のポイントとしては、常に自社の人材のニーズについて、 またそれらの人材が自らの役割の中で成長を遂げ、お客様の 期待を上回る革新的な製品を開発するのに必要なリソースと テクノロジーを提供する方法について考えなければなりません。 そして開発者チームの満足度を維持しようと努力する中で、私 はついに未来の金融サービス業界で成功を収め、銀行のカス タマー・エクスペリエンスを最大限まで高めるための方程式を 見出しました。 育成、および IT 運用モデルの再考に力を注がなければならな いことを意味していました。 そしてそれを成し遂げた私たちは現在、すべての開発にクラウ ドファーストのアプローチを取り入れていますが、メインのクラ ウドインフラストラクチャサプライヤーには、大企業である当社 が必要とするツールとアジリティを提供しているという理由から AWS 社を選択しました。 � �だし、クラウドへの移行にあたっては、やはり作業を進める 中で固有の問題に直面しました。ここでの最大の懸念事項は、 ( 最も重大な責任である ) お客様から毎日提供される機密性 の高い金融情報を保護することであったため、私たちはセキュ リティおよびリスクチームと緊密に連携し、強力なクラウドガバ ナンスとクラウドセキュリティを実現するためのプロセスに資金 を投じました。 しかし、私たちが行った変革の中で最も大きな成果が得られ たのは、組織内で最高のエンジニアリングチームを編成するた めの取り組みであったと言えます。これに関しては、過去 5 年 間にわたって数千人のソフトウェアエンジニアを雇用し、新しい CTP では、人脈を広げるとともにデジタルイノベー ションやクラウドの導入で得られる革新的なビジネ スメリットを知っていただけるよう、全国であらゆ る業界のイノベーターを対象とした Doppler Live イベントシリーズを開催しています。今回のイベント では、 Capital One 社の Biba Helou 氏やオバマ政 権で The Office of the CTO の上級政策顧問を務 めた Leigh Heyman 氏をはじめとする、クラウドの ソートリーダーとイノベーターによるパネルディス カッションが開催されました。 製品の迅速な導入、構築、および提供に必要なリアルタイムテ クノロジーのスタックをそれらのエンジニアに提供することに力 を注ぎました。 実のところ、過去数年間にわたって成功を評価するときに使用 してきた主な方法の 1 つが開発者の満足度だったのですが、 開発者が魅力を感じ、自社に優秀な人材を引き込めることは、 各都市で開催される Doppler Liveイベントをご確認ください cloudtp.com/doppler-live (英語) 2017 年夏号 | THE DOPPLER | 27