The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2017 | Page 11

データ駆動型組織への移行においては、厳密な評価項目を設けて絶え間ない変化を受け入 れることが重要です。このような絶え間ない変化の例としては、これまでの人による承認が必 要とされる手動のタスクを自動化し、機械やアルゴリズムによって意思決定とその実行が自 動的に進められる状態に移行することが挙げられますが、こうした変化は、組織が質の高い 意思決定を行えるようにするのに役立つ、一般的なベストプラクティス ( 図 1) に基づいて管 理されます。これらのベストプラクティスでは、コラボレーションを促進するために組織内で 幅広く利用できるデータが原動力となります。 成熟度レベル 人員のスキル プロセスの手法 テクノロジーの例 レベル 1 - IT/ コンピューターに 記憶に基づく スプレッドシート データアクセス 関する基本的な ETL、 DBS 経験に基づく RDBMS レベル 3 - データ品質 ドキュメント化、 エンタープライズデータ レポート 統計情報 再現可能 ウェアハウス スキル レベル 2 - コンソリデーション (Redshift、 BigQuery、 開発 SQL Data Warehouse) レベル 4 - 高度な統計情報 自動化 ビッグデータプラットフォーム (EMR、 Dataproc、 HDInsight、 アラート Sprak) レベル 5 - NLP、予測、 エンゲージ モデリング、計算 学習、進化 予測分析ツール (R、 Python、 AWS ML、 Google ML、 Azure ML) 図 2: 組織のデータ成熟度 図 2 は、データ駆動型組織へと移行する組織の一般的な成熟度レベルを示したものです。 組織はあるレベルから別のレベルへとシームレスに移行するのではなく、スキルセットや外部 からの影響によって、組織の各要素を異なる速度で成熟させていきます。 データ成熟度のレベルの説明 1. データアクセス - データ成熟度の第 1 レベルで、このレベルの組織はデータ成熟度の 初期段階にあります。こうした組織は多くの場合、参照用として情報を保存しますが、通 常はその情報を使用して意思決定を促進したり、使用中の自動化機能のためにサード パーティのシステムにデータを統合したりすることはありません。 2. コンソリデーション - この成熟度の組織は、個別のデータセットを統合し、より形式化 されたアプリケーションを作成して情報の提示と更新を行うための第一歩を踏み出して います。意思決定は依然として、人が中心となって手動で行われています。 2017 年夏号 | THE DOPPLER | 9