The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2016 | Page 80

HPC 市場で他のクラウドベンダーとは少し違ったアプロー チを取っている Google 社は、コンピュートリソース向けの IaaS 機能をサポートするとともに、同社が HPC と呼ぶこと も多い、高度な機械学習機能を提供していますが、機械 学習は HPC とは異なる分野で利用されているため、市場 では一般的ではありません。ここでは、比較のために両方 の分野で Google 社が提供している機能を見ていきます。 一部のユーザーは、製品設計、レンダリング、特殊効果、 およびその他の物理的な環境のモデリングをはじめとする 業務の HPC ワークロードを Google 社の環境で実行して いますが、同社は他のプロバイダーほど幅広い機能を提供 しておらず、HPC ワークロードに使用できる、CPU 数の多 いインスタンスを含む一連の IaaS 機能を展開しています。 に、機械学習はソーシャルメディア、画像分析、社会的影 響といった人のやり取りの分析に関わるアプリケーション で活用されていますが、同社がハイレベルなパフォーマン スを提供するために活用している機械学習環境や機械学 習に特化したハードウェアは、きわめてスケーラブルな特 性を備えているため、同社は機械学習機能を HPC と呼ん でいます。同社の機械学習のための高度な処理では、以 下に示す他にはない 2 つのテクノロジーが中心的な役割を 果たしています。 • TensorFlow - TensorFlow は、データフローグラ フを分析するためのオープンソースのライブラリセッ トです。Google 社は、機械学習を研究する中でこ の機能を開発し、多くの分野や問題に適用できる汎 用的な分析プラットフォームとしてツールをオープン ソース化しました。 Google 社の差別化要因は、機械学習に関連して同社が 提供する高度なコンピューティング機能にあります。一般的 Google Genomicsは、 HPCの非常に一般的な用途である ゲノム分析のワークロードをサポートし、従来のツールと比較して 事前の構成およびセットアップ作業がはるかに少なくて済みます。 78 | THE DOPPLER | 2016年夏号