The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2016 | Page 72

クラウド戦略に変更の 計画を含めなければならない 6つの理由 Joey Jablonski 私たちは、数年にわたって同じようなことが繰り返されるの を見てきました。革新的なテクノロジーが登場すると、多く の企業がこぞって情報を収集し、それを実装していますが、 人員に対する影響にはほとんど注意が払われていません。 2016 年においても、多くの企業が DevOps、Infrastructure as Code、そして場合によってはマイクロサービスやコンテ ナーとともにクラウドコンピューティングを取り入れています が、またしても人員やプロセスの問題が広範な導入を遅ら せる原因となっています。私たちは、いつになったらそのこ とがわかるのでしょうか。 大規模な組織にクラウドコンピューティングを導入する場 合、組織的な変更に重点を置くことが非常に重要となるの はなぜなのでしょうか。ここからは、クラウドの導入によっ て運用の方法がどのように変わるのかをいくつかの例で見 ていきます。 デリバリの速度 新しいサービスの市場投入期間を短縮したいというビジネ スニーズを満たすために、多くの企業が DevOps を取り入 れており、アジャイルデリバリモデルへの移行に成功した 企業は、本番環境により高い頻度で小規模な変更を展開 することが可能です。その一方、企業はこれまで、四半期 または半年ごとのリリースサイクルに従い、こうした従来型 の展開モデルで長期にわたるテスト期間、手動による膨大 なレビュー作業、および多数のプランニングセッションに対 応してきました。 このような、大規模なモノリシックアプリケーションを 1 年 に数回だけ展開するという考え方から小規模なサービスを 毎週または 2 週間に1 回展開するという考え方への変化は、 70 | THE DOPPLER | 2016年夏号 アプリケーションの管理と実行に必要な運用モデルを大き く変えます。テスト期間が大幅に短縮されると、自動テス トを増やして欲しいという声が増え、アーキテクチャー、セ キュリティ、品質などをレビューするための、手動によるレ ビュー作業のいくつかを行う時間を延ばすことができなく なります。 また、展開の時間が短縮されると、高度な自動化、セル フサービスプロビジョニング、 本番環境での継続的なセキュ リティの監視、プロアクティブな監視、および今日のその 他多くの手法に対するニーズが高まり、サイロ間のハンドオ フは、ソフトウェアを構築して展開するためのより協調的な アプローチに取って代わられることになります。 多くの企業は、継続的インテグレーション (CI) と継続的 デリバリ (CD) を導入することですべての問題が解決され、 展開サイロ内のみに重点が置かれるようになると考えてい ます。しかし、CI/CD はソフトウェアの構築に必要な時間 の大幅な短縮に貢献する可能性はあるものの、一般的に 無駄の多い、ビルドプロセスの前後のプロセスのすべてを カバーするわけではありません。一方、DevOps は、CI/ CD だけでなく、エンドツーエンドのソフトウェア開発ライ フサイクル (SDLC) にも関わるもので、企業は、最初から 最後までの SDLC 全体のフローを最適化するのに必要な プロセスと人員の変更を考慮しなければなりません。 サービスのデリバリと 製品のデリバリ 企業は、大規模なモノリシックアプリケーションのデリバ リからサービスのデリバリへと移行する中で、社内全体の 考え方を大きく変える必要があります。製品に関しては、 開発とデリバリが完了した段階で、通常は別のチームが