The Doppler Quarterly (日本語) 冬 2018 | Page 28
クラウドの新たな価格競争は
単なるマーケティング戦術か
Alexey Gerasimov
クラウドの価格競争が激化する中、
「サーバーコストの
削減」だけがクラウドに移行する理由ではなくなってい
ます。
クラウドの価格競争は今もなお続いています。確かに現在は、 Amazon と Google が競い合
い、大幅な値下げを繰り返していた数年前とは比較にならないレベルの競争にとどまってい
ます。当時を思い起こすと、大手ベンダーの 1 社が四半期ごとにさらなる値下げを発表し、そ
のすぐ後に競合他社が同じ方法で応酬していました。しばらくして、ベンダー各社は、競争を
勝ち抜くという願望を抑える必要があることに気付いたのです。誤解しないでいただきたいの
は、お客様のために値下げをするのは大変よいことです。ただ、それをいつまでも続けること
はできないのです。ご存じのように、
「最小の投資で最大の成果を達成する必要がある」
と言
われていますが、それを続けていくと、いずれは「投資ゼロですべての成果を達成」
しなけれ
ばならなくなり、その状態を持続することはできません。
次の 2 つのグラフは、過去の値下げの動向と、 AWS における特定サーバーの値下げを示すも
のです。
14
13
12
AWS における値下げの回数 ( 年間 )
10
8
7
6
5
5
5
4
2
0
0
1
2011
2012 2013 2014 2015 2016
図 1: AWS における値下げの回数 ( 年間 )
26 | THE DOPPLER | 2018 年冬号
6
3
2
2006 2007 2008 2009 2010
7