The Doppler Quarterly (日本語) 秋 2016 - Page 40

IoT規格に関する 2016年の現状 David Linthicum 将来的に、現行の競合 IoT 規格のほとんどは生き残らないた め、最終的な規格が現れるのを待っていると、市場機会を逃す ことになります。 モノのインターネット (IoT) には弱点があります。現在、中心的 な IoT 規格は存在していません。また、 Gartner の見積りによ ると、今や 50 億近くに達しているスマートデバイスの開発に関 する本格的な管理も行われていません。また、残念なことに、 この点に関しては昨年から何の変化もありません。 問題となっているのは、ほとんどの IoT デバイスが独自仕様の テクノロジーを使用しているという事実です。これは、広く普及 しているデバイス ( スマートサーモスタットなど ) に関する、こ れと言った事実上の規格が存在しないことが原因です。IoT プロバイダーはいまだに、ゴールドラッシュ精神に基づいて市 場を見ており、独自のテクノロジーをより多く活用できるほど、 市場シェアを獲得および維持できると考えています。 最終的に、これらのベンダーは標準の規格に移行せざるを得 なくなります。開発者 ( またはユーザー ) からの規格の要求は ますます高まっているため、これは良いことです。彼らは、 IoT デバイスへの投資を保護し、自身の職を守るために、規格があ ることが望ましいと考えています。 たとえば、 IoT 対応の家庭用サーモスタットを購入した場合、 そのデバイスにオープンな規格が使用されており、サードパー ティアプリケーションによりサーモスタットの通信や制御を行 えることを望むでしょう。これは、その他の家庭用 IoT デバイ スについても同様です。また、ユーザーは、起床したらハッカー によって暖房が 100℃まで上げられていたり、ドアが解錠され たりしていたなどという事態が起きないように、デバイスが有効 なセキュリティ規格をサポートしていることも望むでしょう。 障害 : 各ベンダー独自の課題 消費者が購入するデバイスの IoT 規格を要求し始めると、ベン ダーは競争力を維持するために IoT 規格を提供する必要があ ります。デバイス製造者は、他の何十もの企業 ( 競合他社を含 む ) と共に作業しているにもかかわらず、自社の課題に適した 方向に規格を推進できるように規格を管理しようと考えます。 ベンダーには、規格の推進に関する利己的な動機があるため、 価値を提供する規格を必要としている購入者は、その動機を 理解する必要があります。 これまでに複数の IoT 規格アライアンスが組織されており、複 数のベンダーにより構成されたアライアンスもあれば、より独 立したアライアンスもあります。2014 年までの時点では、これ らの一部が成熟しつつありましたが、現在は、その一部ですら 製品の認定さえを限定的に開始しているだけです。 規格がそれぞれ独自の課題を抱えている企業により推進され る部分が大きいことを考慮すると、規格は本当に必要である か、という疑問が生じます。また、規格が委員会により作成され るペースが遅いと、そのリリースから間もなく時代遅れになっ てしまうのでしょうか。 Wi-Fi、 IFTTT、 SmartThings、および互換性のないテクノロ ジーを統合するよう設計された、その他のイノベーションの世 界は、ますます広まっています。Bluetooth、 ZigBee、 Z-Wave などの確立された一部の通信プロトコルとの互換性の問題ど ころか、 IoT 規格はすでに的外れなのではないかという疑問を 抱く人も大勢います。 しかし、一部の組織は規格 ( 主に、開発が継続されている規 格 ) が重要であるといまだに考えています。理解するべき 1 つ の重要な点は、 IoT を機能させるためには、ワイヤレス通信から 38 | THE DOPPLER | 2016 年秋号