The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2017 - Page 41

1. バイナリ予測 は、回答が「はい」か「いいえ」になる質問に答えます。その例としては、 「注 文に以前 AI アプリケーションで不正というフラグが付けられたデータが含まれているか」、 「AI 対応のリコメンデーションエンジンから提供されたデータに基づいて、お客様が『アップ セル』 製品を購入する可能性はあるか」 といったものが挙げられます。 この種類の予測は、回答がかなりシンプル ( 「はい」 か「いいえ」) であることから、他の種類 より用途が広いと言えます。このような種類の AI のユースケースは多くの場合、注文処理、信 用調査システム、そして収集したデータと得られた回答に基づいてユーザーに動画、音楽、ま たはその他の製品を提案するために使用するリコメンデーションエンジンといった、一般的な ビジネスプロセスで活用されます。なお、この種の AI については、金融および製造業界の企 業が最も大きなメリットを得られる傾向にあることがわかっています ( 図 2)。 2. カテゴリ予測 では、データセットを調べてから、 ( 得られた情報に基づいて ) その情報を 特定のカテゴリに分けます。これは、大きく異なる種類のデータを分析しており、そのデータ をより的確に把握して処理できるようカテゴリを適用する必要がある場合に有益です。 たとえば保険会社では、長年にわたって収集してきた情報に基づいて、さまざまな請求の実 例を特定のカテゴリに分け、事故の推定原因に関する情報がデータに含まれていなかった としても、それを定義できるようにするなどしています。これにより、事故が発生した時刻、場 所、被害の種類、ドライバーの年齢などの過去の情報に基づいて、 AI システムで「アルコール が関係している可能性がある」、 「不正の可能性がある」、 「天候が関係している可能性が ある」 といった割り当てを行うことが可能です。 カテゴリ予測には、データに意味を付加する必要があるものの、既存のデータベースに直接 相関データがない場合など、数多くの用途があり、金融、製造、および小売業界の企業が、こ のカテゴリ予測のテクノロジーを使用できます。 この種の AI については、金融および医療業界の企業が特にメリットを得られることがわかっ ていますが ( 図 2)、金融業界のユーザーは、取引を「不正の可能性がある」 または「不適合の 可能性がある」 といったカテゴリに分けなければならない場合があります。また、病院では検 査室から戻ってきたテスト結果を分類しなければ らない場合があります。 3. 値予測 はさらに複雑ですが、より有益な情報が得られます。実際のところ、値予測では学 習モデルを使用してパターンを特定する中で選び出したデータに基づいて、起こり得る結果 を定量的に示します。 たとえばこの情報は、来月売れる可能性がある製品の台数を明らかにしたい場合に活用で きます。また、製造計画を縮小したり、四半期の目標を達成するために増収が必要なのかど うかを見極めたり、見込み客をフォローアップする営業担当者の旅費を削減したりすることも 可能です。 この種の AI については、すべての業界の企業がメリットを得られることがわかっていますが ( 図 2)、その傾向は製造 (生産の最適化 ) と政府機関 ( 脅威の評価をはじめとする防衛活動 ) で特に強く見られます。 こうした種類の予測をサポートするオープンソースの AI システムと独自仕様の AI システムは いずれも、以前から使用されてきましたが、これらのシステムのハードウェアおよびソフトウェ アコストはこれまで、ほとんどの企業が支払えないほど高額でした。さらに、そのコストを支 払えたとしても、予測モデルを設計するとともに、データシナリオを管理するのに必要な AI 担当の人材を確保していないことが少なくありませんでした。 2017 年夏号 | THE DOPPLER | 39