JAPAN and the WORLD Magazine OCTOBER ISSUE 2015 #Issue 13 | Page 73

人にもその存在を隠して個人で楽しむことを好んで いたようです。最近では、 コレクションを飾る日本人 コレクターは増加し、家族や友人と共有するように なっています。所有するコレクションの価値が高いと 判断した人は、 ミュージアムを開いて作品を展示し ます。 ギャラリーになかなか足を踏み入れない日本 人に対して、 その見えない壁を壊そうと努力している ギャラリーオーナーもこのトレンドの普及に貢献し ています。 アートに親しみをもってもらうということを 目標に、 ギャラリーは積極的に鑑賞イベント、 パーテ ィー、 トークイベントを開催しています。 日本市場は常に変化・変動するところです。 ブランド もワンシーズンで人気が衰えることもあります。 さま ざまな業界から多種多様な新製品が続々と発売さ れる中で、高級品、有名ブランド、 良質な無名ブラン ドなど、消費者は自分の好きなものを選んで購入し、 自分を表現することができます。 これは個人的な行 動や企業行動にも応用されています。 日本のゆとり世代は、大手企業で安定した雇用を得 るという伝統的かつ魅力に欠ける選択肢を好むとい う統計結果が出ていますが、同時にインパクト・ハブ などの国際コミュニティが生まれているということを 忘れてはいけません。インパクト・ハブとは、共有の 仕事場として機能し、 グローバルコミュニティに関 連するさまざまなイベントや作品を通して、起業家 や新事業モデルを従来の手段を刷新した方法でサ ポートするグローバルビジネスコニュミティです。 こ のようなコミュニティが日本各地に誕生していること から、人々がより質の高い生活や仕事のスタイルを 求めていることが分かります。 こういったライフスタ イルこそが、 「新しいぜいたく」体験であり、長期にわ たる自己投資となるのです。 JAPAN AND THE WORLD MAGAZINE OCTOBER 2015 // 72