Garuda Indonesia Colours Magazine November 2016 | Page 182

180 Flores to Alor | 宝の眠る島 フボードすら持ち込んでいなかったのだ。船に乗 せていた3メートルのスタンドアップパドルボー ドは、 この大きさの波には著しく長すぎたが、 ア コニによると古代のハワイ人はこれよりはるかに すごい波をもっと重い板でサーフィンしていたの だそうだ。 私は岩礁に降りて、 ニアスの素晴らしいラグンリ の左利きバージョンを思わせるスピードと空洞 の波が作る銀色の壁に沿ってボードを動かして みた。 こんな重いボードでは、 ほとんどが激しい ワイプアウトに終わってしまったが、 このポイント でサーフィンをするのは私達が初めてなのだとい うことに感動した。 おすすめのホテル: ドゥニア・バル号 が新しい冒険の連続だった。 私達はカメやオニイ トマキエイと一緒にダイビングをしたり、煙を吐 く火山の周りをセーリングしたり、小スンダ列島 のソロール群島の中で最大の島にある伝説的な ラマレラ村を訪れたりした。 さらに他の島々で は、海藻を採る漁師と話をしたり、 アブイ族の人 々と一緒に踊ったり、笑みを浮かべたシージプシ ーの子供達と一緒に泳いだりもした。 小さなプラ島では、首長のアンドレアン・バウト・ バカウェタンに会うことができ、彼の祖先がいか にして巨大な鉄製の錨を島の中央にある山の頂 ドゥニア・バル号は4月から9月まではコモド島 に、 10月と11月はラジャアンパットに拠点を置 いている。船内には14名まで宿泊でき、豪華な 滞在を満喫できる。 またディンギーやカヤック、 ジ ェットスキーが2台、複合型ゴムボートも3艇装 備されているほか、完全装備のダイビングセンタ ーもある。 www.duniabaru.com 上から村まで運んできたかという話を聞いた。 「でも、 そもそもどうして山の上にあったんです これほどパーフェクトな波が誰にも知られずにい か」 と私は訊いてみた。 たというのは、 インドネシアでしかありえないこと だ。 この世界最大級の群島には、 まだまだ発掘さ 「その錨がどうやって島にたどり着いたのかは、 れていない謎が無数に待ち構えているに違いな 誰も知らないのです。恐らくポルトガル人かオラ い。 ンダ人でしょう」 と彼は話してくれた。 「しかし古 「ほとんどの人にとって、 こういう人里離れたス ポットに入るには船で来るしかありません」 とマ ーク・ロッバは言う。 「これこそまさに、 ワールドク ラスのアドベンチャーです。」 代では、私達の祖先は巨人でした―あなた方よ りも背が高かったくらいです。彼らにとって、錨を マウメレ 丘の頂上まで運ぶのはたやすいことでした。 あな • • クパン た方より筋肉質だったんですから!」 私には彼の言う意味がよくわかる。私は今までイ ンドネシア中を旅して周り、 そして幸運なことに、 それまで外国人が足を踏み入れたことがなかっ た島々やコミュニティを訪れることができた。 アンドレアンさんは続けて、彼のコミュニティが4 私達がマウメレに船を泊めて、 ポルトガル人の冒 険家達が 「ケープ・オブ・フラワーズ (花の岬)」 と 呼んだ島の西端を周ってから、 もうすぐ1週間に なろうとしていた。 ロッバが約束したとおり、毎日 つの民族に分けられたいきさつを教えてくれた。 フローレス デンパサールからマウメレへ 飛行時間 2時間 も小さな部族かもしれない。 運航便数 週4便 このような隠れた群島の中でこそ、 この国の驚く アロール ジャカルタからクパンへ 現在12家族しかいないムレパン族は、 世界で最 べき多様性を本当の意味で体感できる。 インド ネシアの隠れた島々には、未だ無数の宝が眠っ ているのだ。 飛行時間 2時間55分 運航便数 週7便