Garuda Indonesia Colours Magazine July 2014 | Page 230

228 Raja Ampat | ラジャ・アンパット 触覚:恐怖を味わう コモドオオトカゲを、 ただの 「太ったトカゲ」 だと思って いる観光客は多い。 しかし食物連鎖の頂点に位置する ンタンで建造された後バリに曳航され、入念に デザインされた骨組みがバリ島で最上級の腕を 持つ大工と職人の手によって作られた。芸術品 のままの場所が必ず見つかるのです。」 シャムスディン船長とラモン・エストラーダは 「 レベルのエンジン、 システム構造、航法装置、通 コーラル・トライアングル」 と呼ばれるこの地域 見られない完全一体型のサウンド・照明・エンタ できる前から他の船で一緒に航海をしてきた船 信システム、 そして最上のスーパーヨットでしか ーテインメントシステムが輸入されたが、船自体 は完全なるインドネシア製で、乗組員もまた全員 で生計を立てる専門家として、 ドゥニア・バルが 員仲間だ。 この捕食動物は、電光石火のスピードで攻撃を仕掛け ることができるのだ。体の小さなものでも一噛みで獲物 (ときにはバッファローでさえ) を、文字通りひざまずか せることができる。腹を空かせたドラゴンのアゴから止 めどなく滴り落ちる猛毒の唾液には、 50種のバクテリ アだけでなく毒性の坑凝血剤が含まれており、激しく噛 まれた獲物は最終的に失血死してしまう。 がインドネシア人だ。例えば造船工のジャマール 「この船がユニークだと思うのは、毎日朝から は、 5世代目の船大工だ。 処女航海の際にこの船 晩までずっとダイビングをしていられるだけでな が彼の地元スラウェシのアラに寄港して、 コンジ く、他にもできることがたくさんあるところです。 を受けた後、乗組員として船に残ったのだった。 が……ダイビングにあまりに熱心な人達は、 この ョ族の精神的指導者から伝統的な祝福の儀式 ドゥニア・バルには14名の乗客が乗船可能だ が、 フルタイムの乗組員が少なくとも18名居る。 スラウェシ、 バリ、 フローレス、 ジャワ、 アンボンか インドネシアは素晴らしく多様性のある国です 国にある他のたくさんの魅力を見逃してしまい がちです」 とエストラーダは言う。 私がコモド国立公園に来るのはこれで三度目だ らの精鋭が集結した、 この小さな船を管理する ったが、今回のプログラムにコモドオオトカゲの 有数の名高い船長だ。彼は15歳の頃からピニ で嬉しくなった。 これまで私はジンバブエでライ ち、 コモドやラジャ・アンパット周辺の悪名高き を捕まえ、 コスタリカではジャガーを追うという シャムスディン・リアントビ船長は、 インドネシア シや100トンの貨物船に乗ってきた経歴を持 危険な海流を知り尽くしている。 「最近では、 コモドにやって来るピニシのクルー ズや、船内で宿泊できるダイビングボートがどん いるリンカ島でのトレッキングが含まれていたの オンと一緒に散歩をし、 ボツワナでクロコダイル 体験をしてきた。 しかしリンカ島でのトレッキン グには他のどこでも滅多に感じたことがない、忘 れることのできない緊張感がある。 リンカ島は捕 食動物に囲まれた中をトレッキングできるとい どん増えています」 と船長は言う。 「でも私達はど う、世界有数の刺激的な場所なのだ。 のない停泊地を見つけることができ、手付かずの ラブアン・バジョの停泊地に船が着く頃、 エスト んなときでも混雑した場所から抜け出して人け ままの岩礁がある場所も把握しています。 コモド とラジャ・アンパット周辺の島々の間には、野生 ラーダは私にラジャ・アンパットの体長6メート ルにもなるクロコダイルの話をしてくれていた。 味覚:王様の料理 現在ドゥニア・バルで料理を手掛けるハリー・ブディア ルジョは、 ゴードン・ラムゼイと一緒に働き、 日本の皇族 や数々の著名人のために料理をふるまってきた経歴を 持つセレブリティ・シェフだ。心地良い船上ディナーもこ の船の魅力の