Garuda Indonesia Colours Magazine April 2017 | Page 173

Pekanbaru | 知る人ぞ知る道 知る人 ぞ、 知る道 調和の取れた自然と多様な文化を求め、 『Colours』 誌はスマトラ島リアウ州の豊 かな土地、 プカンバルの旅に出た。 さざ波すら立たないほど穏やかなシアク川は、 かつてセナペランと呼ばれた街の端を流れて いる。 この川沿いには何世紀もの間、 スマトラ 島から商品や天然資源を運ぶ貿易船が停泊し てきており、 貿易と古代の王が持つ権力とが堅 く結び付いた川だ。 現在はプカンバルと呼ばれるこの街は、豊富な 天然資源を収入源としたインドネシア有数の 豊かな州、 リアウ州の州都でもある。 そしてこの 10年で、 スマトラ島の中でも特に著しい急成 長を見せる都市になった。 私達はスマトラを探検するため、 まだ暗いうち からロードトリップを始めた。道は静かで、 まだ 涼しかった。頭上には満天の星空が広がり、視 線を下げると明るく輝く月が見える。 その後ま もなく、 スマトラ島を一変させる原動力となっ た二大作物であるゴムとアブラヤシの農園が 見えてきた。夜の森は音もなく、動きを止めて いるかのようだ。 「2年前、 この道はこれほどひどくありません でした」 と、曲がりくねった農園の道に沿ってハ ンドルを操りながらアグンが言った。 リアウ州 は比較的平地が多いのだが、道は曲がりくねっ ている。 私達はカンパル地区にある、 ムアラ・タクスとい う静かな村で車を止めた。伝統的な門があり、 鍵のかかっていない扉の脇には何世紀も前の 古いレンガが高く積み上げられていた。 ここは ムアラ・タクス寺院として知られ、歴史ある建 造物が今は早朝の静けさに包まれている。黄 色と茶色のレンガでできた寺が高くそびえ立 ち、周囲に広がる広大な農園を覆う空を指して いた。 ムアラ・タクスはトゥア寺院、 ブンス寺院、 マリガイ寺院、 パランカ寺院からなる複合寺院 で、他にも慎重な修復作業が待たれる建物が いくつか隣接している。 171 ムアラ・タクス寺院を後にした頃に朝日が昇り 始め、岩だらけの道を走る3時間のドライブを 経て、灼熱のプカンバルに到着した。私が最後 にここを訪れたのは12年前のことで、街の様 子は見違えるほど変わっており、 いたるところ に変化が見て取れた。通りは広くなり人も増 え、大都市のように大きな庁舎や高級ホテル、 モールやショッピングセンター、様々な料理を 提供するレストランなどが建ち並んでいる。 プカンバルと言えばパーム油の方がよく知られ ているかもしれないが、実は訪れるべき場所が たくさんある街だ。 アラム・マヤン・レクリエーシ ョナル・パークは、地元の人達に特に人気があ る。街の中心地から遠くない場所にあるこの公 園にはトラやゾウといった像が並び、様々な施 設が揃っており、都会に住む人々の憩いの場で ある。 ウォーターバイク、 バナナボート、 マジカ ルカーペット、 ボールプールなど、家族連れも 楽しめるアクティビティも充実している。